自分・他者と向き合う 〜21Lessonsを読んで〜
お盆の期間で21Lessonsを読みました。本当にそうか?と思う内容も多いですが、未来を考えるヒントになりましたし、その思考プロセス自体がすごく勉強になりました。
印象に残ったのは、ありのままに自分と他者を見つめることの重要性について。その手法の一つが瞑想ということで、著者は激押ししてました。その結論に至る思考プロセスも面白かったです。
①人間は物語を信じることで生き残り、繁栄してきた。だから良くも悪くも、物語を信じ、疑う事は難しい。
②ただ、グローバル化が、物語は虚構にすぎないことを明確にした。宗教が代表例。特に一神教において、宗教Aの世界の成り立ちを信じると、宗教Bの理論と矛盾が生じるようなことが起こる。それが無駄な争いを生んでいる現状すらある。
③だからこそ、世の中に生まれた概念が虚構である場合、人間はそれを自覚をすべき。そうでないと無駄な論争が生まれる。さらには、テクノロジーが物語をつくり、人間の感情さえもコントロールするようになってしまいかねない。最悪の場合、人間がAIの奴隷のようになる。
④そこで必要になるのが、人間が物事そのものを直視すること。虚構を虚構に過ぎないと認識し、惑わされないため、自分の感覚を研ぎ澄ます。それが、テクノロジーが人間を支配するのではなく、人間がテクノロジーをうまく活用する未来に繋がる。瞑想は、その感覚を研ぎ澄ます手段の一つ。
ザックリこんな流れだと解釈しました。
また、本書で紹介されているイスラエルのユダヤ教の例は、ありのままに物事を見つめる重要性を理解する上で、超参考になる例だと感じます。
イスラエルのユダヤ教の男性は衣食住を国に保証されながら、ユダヤ教に向き合い、議論することができる。おそらく自分・他者と向き合う時間も長いのだと思います。だからこそ、起業大国になっている。
実績としては、、
・1600人に1人が起業家。
・国民一人当たりのユニコーン企業輩出率が世界一。
・1人当たりのベンチャーキャピタル資金獲得額が世界一。
というような感じです。
要因はおそらくこれだけではなく、ユダヤ教自体のビジネスにおける考え方、地政学リスクなどもあるように思います。
ただ、思考時間を確保できることは、前述した実績の要因の一つであることには違いないと感じました。本質と向き合うことで、正義感が生まれることと思います。また虚構が虚構であることを理解することで、挑戦する勇気が湧いてくる感覚も、なんとなく分かる。世間体とか、どうでもよくなるのでしょう。
AIや物語が、敵なわけではありません。うまく活用するため、組織として、そして私自身も、自分と他者そのものと向き合う時間をしっかりつくっていこうと思えます。
※イスラエルの特徴はこの動画で分かります
https://www.youtube.com/watch?v=0JPYQY4--oo
※21Lessonsはこちら